大相撲の力士の給料システム解剖!横綱の年収から無給事情まで
力士 の 給料は、土俵上の華やかな勝負からは想像もつかないほど極端なピラミッド構造によって成り立っている。NHKの生中継で満員の国技館を沸かせる土俵の主たち——彼らが手にする報酬の額は、一体どれほどのものなのか。Netflixで世界的人気を博したドラマ『サンクチュアリ -聖域-』の影響もあり、伝統的なプロスポーツ界としての格闘技・大相撲における金銭事情へ注がれる視線は、かつてないほど熱を帯びている。
日本最高峰の伝統格闘技でありながら、その実態は熾烈な競争社会だ。しかしその内情を覗くと、力士 の 給料と呼べる毎月の正規報酬を受け取ることができるのは全力士のうちわずか1割強という厳しい現実が浮かび上がる。公益財団法人日本相撲協会が定める厳格な規定に基づき、地位によって月給だけでなく各種手当やインセンティブが天と地ほどに乖離する独自の経済エコシステムを解剖していく。
月給300万円超?最高峰「横綱・大関」が稼ぎ出す年収の全貌
大相撲の頂点に君臨する横綱の基本月給は、現在300万円に達する。これに年2回支給される賞与(ボーナス)や特別手当を合算するだけで、額面の年収は4,500万円を超えてくる計算だ。さらに最高位に次ぐ大関でも月給は約250万円、年収ベースで3,500万円前後が保証されている。
第73代横綱・照ノ富士春雄のように、度重なる怪我や病魔を乗り越えて頂点へ返り咲いた最高幹部たちの収入はこれだけに留まらない。本場所での勝利数に応じた各種手当や、後援会からの祝い金、CM出演料なども加わるため、実際の総収入は1億円の大台を軽々と突破することも珍しくないのだ。
1本7万円の札束が舞う!土俵を彩る「懸賞金」の知られざる裏側
取組の直前、呼び出しが掲げる企業名の旗とともに場内にアナウンスされる「懸賞金」。あの分厚い熨斗袋には、1本あたり7万円が包まれている。ただし、勝利した力士の手元に直接入るのは6万円だ。残る1万円は、公益財団法人日本相撲協会が本人の納税充当金および事務手数料として管理保管するシステムになっている。
結びの一番など注目度の高い取組では、一度の勝利で50本から60本以上、金額にして300万円以上の懸賞金が一瞬で動く。千秋楽までに大量の懸賞を獲得すれば、本場所中のたった15日間で数千万円のキャッシュを手にする力士も存在する。まさに一獲千金の夢が詰まった土俵の華と言えるだろう。
勝ち越すごとに積み上がる「力士報償金」という永久不滅の年金制度
大相撲の報酬体系において最も独特であり、力士たちの生涯年収を大きく左右するのが「力士報償金」だ。これは言わば、土俵上の実績に応じて積み上がる歩合給であり、一度勝ち取った支給基準額は現役を引退するまで原則として下がることはない。
勝ち越し1勝ち星ごとにポイントが加算されるほか、金星の獲得や各段での優勝といった快挙を成し遂げることで支給額は一気に跳ね上がる。本場所が開催される年に6回、基本額の4,000倍という倍率で現金支給されるため、長年にわたり幕内上位で活躍し続けた関取にとっては、月給と並ぶ極めて強固な収入の柱となる。
給料ゼロの衝撃!十両未満「幕下以下」が直面する過酷な無給事情
世間一般が抱く「力士=高給取り」というイメージは、実は関取と呼ばれる十両以上の力士に限られた話だ。幕下、三段目、序二段、序ノ口といった十両未満の力士には、なんと相撲協会からの毎月の「給料」は一切支払われない。
彼らに支給されるのは、年6回の本場所ごとに渡される数万円から十数万円程度の「場所手当(養成費)」のみ。生活の基盤は所属する相撲部屋での寝食に依存しており、自身の力で毎月自由になるお金を手に入れるためには、何としても十両へ昇進して「関取」にならなければならない。この過酷な無給事情と厳しい身分格差こそが、若手力士たちを稽古場へと駆り立てる最大の原動力となっている。
他のプロスポーツ界と比較!大相撲の報酬システムが持つ異例の特質
プロ野球やJリーグ、あるいは欧米のプロボクシングや総合格闘技など、他のプロスポーツ界と大相撲を比較したとき、最も顕著な違いはその安全網の構造にある。一般的なプロ選手は代理人を通じて年俸交渉を行い、結果が出なければ即座に解雇や大幅減俸のリスクに直面する。
一方で大相撲は、公益財団法人日本相撲協会という中央組織が給与体系を厳密に統括している。幕下以下の無給期間はあるものの、相撲部屋に入門している限り衣食住が完全に保証されるシステムは世界的に見ても極めて異例だ。実力主義の厳しさと、伝統的な共同体による保護が奇跡的なバランスで同居している点に、大相撲独自の魅力が隠されている。
関取たちのリアルな金銭事情と土俵にかける執念
土俵の上で繰り広げられる激闘の裏には、己の肉体一つで地位と富を掴み取ろうとする男たちの切実なドラマが存在する。無給の幕下時代を耐え抜き、関取となって初めて手にする給料袋の重みは、彼らの人生を文字通り劇的に変える。
照ノ富士春雄が示したような幾度もの絶望からの復活劇も、土俵への誇りと同時に、関取という価値ある立場を守り抜くという強烈な執念が支えていた。番付の一行の違いが人生のすべてを分ける大相撲の世界。彼らが流す汗と血の分だけ、土俵には今も計り知れない夢とリアルな報酬が転がっている。 (出典: 力士 の 給料(Yahoo!ニュース))