あの明治カールは今どこへ?東日本撤退の真相と西日本の熱狂に迫る
おやつ カールと聞けば、口に含んだ瞬間にほどける独特の食感と豊かな風味が即座に脳裏をよぎるファンも多いだろう。日本の食品製造業を代表する超ロングセラーブランドでありながら、東日本での販売が幕を閉じてから久しい。だが、その人気はいまだ冷めるどころか、西日本を中心とした地域で熱烈な愛を受け続けている。
子どものころ、放課後にお腹を空かせて食べたおやつ カールの味わいは、時代が移り変わっても色あせることはない。2017年の衝撃的な東日本エリア販売終了から月日が流れた今、一体どのような状況になっているのか。なぜ売らなくなったのかという真相から、西日本で手に入る現行商品、さらには東日本から手に入れる裏技まで、その最新事情を深掘りする。
なぜ東日本から消えた?明治カール販売エリア縮小の真相
長年親しまれてきた商品が、ある日突然スーパーの棚から消える――。2017年5月、製造元である株式会社明治が発表した決定は、日本全国の消費者に大きなショックを与えた。福井県・岐阜県・三重県以東の東日本地域における販売を全面的に終了し、販売エリアを西日本限定へと大幅に縮小したのだ。
撤退の背景にあったのは、スナック菓子業界全体を襲った構造変化だ。ポテトチップスをはじめとする多種多様な競合商品の台頭により、市場の選択肢は爆発的に増加した。その影響を受け、カールの売上高はピーク時の1990年代初頭の約190億円から、販売終了前には約60億円へと落ち込んでいた。採算性の悪化と物流コストの上昇が重なり、全国での生産・物流体制を継続することが極めて困難になったのである。
西日本限定!現在買えるカールの現行ラインナップとは
現在、カールの生産体制は再編され、西日本限定で入手可能だ。かつてはカレーあじや小鉢系の限定フレーバーなど多彩なバリエーションが存在したが、現在はラインナップを2つの王道商品に絞り込んでいる。
一つ目は、濃厚なコクと芳醇な香りがクセになるチーズあじだ。口に入れた瞬間に広がるチーズパウダーの濃密な味わいは、世代を超えて根強いファンを魅了してやまない。もう一つが、昆布や鰹節の旨味を利かせた上品で深みのあるうすあじである。出汁の味わいを大切にする関西文化にもマッチしたこの2つの定番フレーバーが、現在のカールの看板を守っている。
東日本で食べたい!ネット通販を活用した緊急入手ルート
東日本に住むファンにとって、今やカールは「幻のお菓子」に近い存在かもしれない。だが、諦める必要は一切ない。現地へ足を運ばずとも手に入れるルートは確実にある。
最も手軽で確実なのが、大手ネットショッピングサイトの活用だ。Amazon.co.jpや楽天市場などの主要ECプラットフォームでは、西日本の直販店や卸業者が出品するカールが多数取り扱われている。箱買い(まとめ買い)が中心となるが、東日本の愛好家にとっては重宝する入手ルートだ。また、都内にある西日本各県のアンテナショップや、百貨店で開催される物産展、さらには新幹線駅のお土産コーナーなどでも不定期に入荷されるケースがある。
名曲CMとカールおじさん誕生秘話!ひこねのりお氏が生んだ伝説
カールを語る上で絶対に外せないのが、昭和のテレビCM史に燦然と輝くキャラクターと音楽だ。「それにつけてもおやつはカール」という耳に残るフレーズとメロディが流れる明治カールCM「それにつけてもおやつはカール」は、日本中の人々に愛された。
麦わら帽子に青い首巻き、そして見事な口ひげがトレードマークのキャラクター「カールおじさん」。この愛くるしいキャラクターを生み出したのは、CMアニメーションの巨匠として知られるイラストレーターのひこねのりお氏だ。実は、当初のCM主役は「お坊ちゃん」という少年キャラクターであり、カールおじさんは脇役に過ぎなかった。しかし、その圧倒的な存在感と愛嬌が視聴者の心を掴み、いつしか看板キャラクターへと昇格したという秘話がある。現在でもYouTubeなどで当時の懐かしいアニメーションCMが閲覧され、古き良き日本の原風景として称賛されている。
スナック菓子業界を揺るがしたパイオニア!ノンフライ製法の秘密
1968年に登場したカールは、当時の日本の菓子市場に革命をもたらした。それまで主流だった油で揚げるお菓子とは異なり、独自の技術を駆使したノンフライスナックとして誕生したのだ。
原料となるトウモロコシ(コーングリッツ)に高温・高圧を加えることで一気に膨張させる押し出し成形技術を採用。油で揚げないため、独特のサクサクとした軽い食感と、手に油がつきにくい仕上がりを実現した。この画期的な製法によって生まれたコーンスナックは、スナック菓子業界のパイオニアとして後続の製品に多大な影響を与えたのである。
四国明治が支える伝統の味とこれからの未来
全国展開から西日本限定へと舵を切った現在、カールの製造を一手に引き受けているのが、愛媛県松山市に拠点を置く四国明治株式会社である。かつて全国5箇所にあった製造拠点を松山工場へ一元化し、最新の品質管理のもとで変わらぬ伝統の味を守り続けている。
地域限定となったことで、カールは単なる日常のお菓子から「西日本を訪れたら必ず買うべきプレミアムな名物」へとその価値を変容させた。伝統的な製法を守り抜きながら、時代に合わせて柔軟に生き残るその姿は、ロングセラーブランドのひとつの理想形と言えるだろう。 (出典: おやつ カール(Yahoo!ニュース))